竹光侍 1
ある日、長屋にふらりとあらわれて、そのまま住みつくこととなった瀬能宗一郎。
同じ長屋に住んでいる勘吉は、一旦はもののけにでもとりつかれた得体の知れぬ浪人とおびえていたものの、やがて世間ずれはしているものの裏表のない宗一郎になつき始める。
宗一郎は信濃から江戸へと来たようだが、どうもわけありの様子。
長屋に落ち着いて早晩、質屋に腰のものをあずけて竹光にしてしまう。
そうして剣の業(ごう)を断ち切らんとするのだが、己の関与にかかわらず、様々な事件を引き寄せてしまう…。
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「ピンポン」・「鉄コン筋クリート
」で有名な松本大洋さんの剣客漫画。
これがスゴイ。
真剣を捨ててまで己の中に住む魔性と決別しようとしていながら、無意識に剣の道を求めてしまう宗一郎。
戦乱が遠い昔となった世で、自分を曲げられずに傾き者として生きる大三郎。
こういった内に秘めた葛藤とキャラクターたちが表面に見せている天衣無縫な快活さの対比を、ミエミエにならずアンバランスにならず、一つの表現の中で描いている。
「バガボンド」がスポーツ漫画の手法で剣豪の身体能力を可視化しているとするならば、「竹光侍
」はその独特の絵柄で剣客の業を見事に描ききっている。
少々大げさに言うならば、麻雀漫画と大差ないもっさりとした劇画調が大半を占める時代劇漫画の中で、ついに剣客小説が構築しうる世界観を完全に可視化できる表現手法に出会えたという感じ。
評価は5点。※
できれば長いこと続けてほしい。
松本大洋さんの絵柄はちょっと苦手だったのだが、他の作品も読んでみようかという気が…。
※点数の意味
・1点:金返せ
・2点:あまりおすすめしない、次巻は買わないかも
・3点:好みが分かれるかも、次巻は買う
・4点:おすすめ
・5点:是非是非ご一読を

